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カスハラとは?定義やリスク・クレームの違いについて解説!

世の中には様々なハラスメントが次々と登場しています。
今回は、その中のひとつ、カスタマーハラスメント(カスハラ)について、定義や正当なクレームとの見分け方、放置した場合に発生するリスクについて解説いたします。

カスタマーハラスメント(カスハラ)とは

カスタマーハラスメント(カスハラ)について、クレームとの違いについても解説していきます。

カスハラの定義

カスタマーハラスメント(カスハラ)は、厚生労働省発行の「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」では以下のように定義されています。

顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの

カスタマーハラスメント対策企業マニュアル 9ページ
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000915233.pdf

「顧客等」には、現在商品を購入したり、サービスを利用している方だけではなく、今後利用する可能性がある方も含みます。

簡潔に言うと、“顧客が企業の労働者に対し、就業環境を害するほど理不尽な内容のクレームや要求等の迷惑行為を行うこと”を指します。

「お客様は神様です」という言葉の解釈を誤り、ご自身を神様と捉えて立ち居振る舞う方が年々増加しています。

カスハラとクレームの違い

カスハラとクレームには、その目的に明確な違いがあります。

カスハラとは、顧客であることを利用し、「自身の過剰な要求を通すこと」や「過度なサービスを受けること」、もしくは「自身の欲求を満たすこと」を目的として行われる、暴言や暴力、セクハラ等の迷惑行為を指します。

クレームは、顧客が企業に対し、「商品やサービス、システムに関する品質の改善やサービス向上」を目的とし、合理的な意見を伝える行為です。

顧客の要求が顧客自身のためのものなのか、企業の成長に繋がるものなのか、見極めることが重要です。

カスハラに当たる行為

カスハラに当たる行為は多岐に渡ります。
どういった行為がカスハラに当たりうるのか、類型ごとにご紹介いたします。

カスハラ行為 内容
長時間にわたり拘束する行為 店舗に1時間以上居座ってクレームを言い続ける、電話であれば切らせないようにするなど、時間を拘束する行為。
頻繁な接触 頻繁に来店してその都度クレームを入れる、複数回架電する等、何度も繰り返しクレームを入れる行為。
暴言 大声や暴言で従業員、電話の場合はオペレーターを責め立てたり、大声を出すことで店内の空気を乱す行為。また、大きな声での恫喝、罵倒、暴言を繰り返す行為。
揚げ足取り 要求を繰り返し、通らない場合に言葉尻を捉えたり、一方的に相手の落ち度に対してクレームを入れ続けたり、論点をすり替え、揚げ足を取るなどして、執拗に責め立てる行為。
脅迫 脅迫的、反社会的な言動、モノを壊す、殺すといった発言やSNS、マスコミへ情報をばらまくことを告知することにより、要求を通そうとする行為。
権威を振りかざす 優位な立場にいることを利用し、暴言を放ったり、特別扱いを求める行為。
SNSへの投稿 従業員の情報(個人名等)や社名を記載し、信用毀損罪を連想させる表現を用いてSNSに投稿する行為。
正当な理由のない過剰な要求 言いがかりによる金銭要求、難癖をつけたキャンセル料の支払い拒否や代金の返還要求、契約内容を超えた過剰な要求を行う行為。
セクハラ 従業員への付きまといやわいせつ行為、盗撮。
その他 正当な理由なく業務スペース等に立ち入る行為。
退去を求めても居座り続ける行為。

カスハラに当たる行為は沢山あります。

カスハラを放置した場合のリスク5選

カスハラに当たる行為を受け入れてしまった場合、企業は次のようなリスクを抱えてしまう危険性があります。

従業員の労働意欲の低下

顧客から不当な要求やクレームを受けた場合、対応しなければならないのは、現場にいる従業員です。

精神的に負担を強いられる状況となるため、味方であるはずの企業、上司が対応をしてくれないとなると、仕事に対する意欲が低下してしまいます。

退職者、休職者の増加

上記のような状況を放置してしまうと、退職する者が出てきます。
また、カスハラにより心を病んでしまい、休職せざるを得ない従業員が出てしまう可能性もあります。

生産性の低下

カスハラへの対応は時間がかかるものです。
カスハラを行う顧客への対応への対応はもちろん、社内での対応検討や、弁護士への相談等、貴重な従業員の労働時間が奪われてしまい、企業の生産性が下がります。

他の顧客への影響

「カスハラに毅然とした対応ができない企業」、「自社の従業員も守れない企業」であるというイメージがついてしまうと、社会的な評判が落ちてしまう恐れがあります。

従業員からの損害賠償等の請求

企業の従業員に対する安全配慮義務が果たされていないとして、従業員から損害賠償請求を受けたり、上司から不適切な指示を受けたとして、従業員から上司が不法行為の責任を追及される可能性があります。

上記以外にも、様々なところへ悪影響が出ることが予想されます。
カスハラには、毅然とした対応ができる体制を整えておかなければなりません。

正当なクレームと不当なクレームの判断基準

カスハラについて解説しましたが、クレームすべてがカスハラに当たるわけではありません。
正当なクレームであれば、企業は真摯に対応すべきです。

正当なクレームと不当なクレームについて、主な判断基準を2つご紹介します。

要求内容に妥当性があるか

クレームを受けた際は、まずは事実確認をし以下の2点について、判断する必要があります。

  • こちら側に過失はないか
  • 要求に妥当性があるか

顧客に提供した商品やサービスに落ち度がない、または、商品やサービスとは無関係な内容のクレームであれば、カスハラである可能性が高いです。

要求方法が、社会通念上相当性な手段か

顧客の要望に妥当性がある場合でも、その要求方法が過剰であれば、カスハラに該当すると言えるでしょう。

暴力はもちろん、暴言、土下座の要求や、長時間にわたる説教など、その手段の悪質性が高い場合、カスハラに該当します。

まとめ

今回は、カスハラには様々な種類があること、放置すると多大なリスクがあること等について解説しました。

次の記事では、カスハラへの対応方法についてお送りする予定です。
従業員及び会社を守るために、カスハラを行う者に対して、企業がしておくべき準備について詳しく解説いたします。

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